このキャッシュフロートークが社員の共感と理解を得て、
行動を促すためには、思いつきでテキトーにしゃべってはいけません。
トークを予め設計することが肝心。
そしてその際に押さえておきたい3大ポイントがあります。
それを簡潔にお伝えしておきましょう。
① 安心感と緊張感の両立
このキャッシュフロートークの目的は、
社員に同じ危機感を持ってもらい、行動してもらう ことです。
そのためには、適度な緊張感を与える必要があります。
と同時に、「倒産寸前なのでは!?」などの誤解がないよう、
安心感も必要。その両立を意識してトークを設計します。
② 会社と社員の幸せの一致点の追求
会社の幸せと社員の幸せがあるとします。
その社員が今この会社に所属しているのは、
程度の大小こそあれ、そこにお互いの幸せの一致点があるからです。
それは「生活費を稼げるから」というレベルから
「人生のミッションを果たす場が与えられるから」
というレベルまで様々ですが。
そして、人が一番興味があるのは、自分の幸せです。
自分がある程度、満たされてこそ、周りの幸せにも気が向く。
そんな人が大多数ではないでしょうか。
ならば、
会社と社員の幸せの一致点はどこにあるのか、
そしてどうすればその面積は広がるのか、
に意識を向けてトークを設計します。
③ ビジョンや理念との整合性
人は、「今やっていることの中に意味を見出したい」生き物です。
その意味は、「生活費を稼ぐため」という
日常レベルのことだけでなく、
「大いなることのために事を成す」
ようなスケールの大きなこともあっていいでしょう。
それは会社で言えば、ビジョンや理念の実現です。
それとどう関連があるのか、をきちんと結びつけることで、
提示された目標や指示を完遂しようという動機が強まります。
さて、トークの設計ができたところで、
これをすべて社長が一人でしゃべるのは、
よほど弁の立つ人でない限り難しいかもしれません。
そこで、現実的で簡単、かつ
もっとも効果的な方法を紹介しましょう。
それは、Step1からStep6までは顧問税理士など
第三者にしゃべってもらい、最後の締めくくりのStep7だけを
社長が熱く語る、という二人三脚作戦です。
この役割分担が一番スムーズです。
もっとも、このように社長と社員の間に立って、
経営数字を使ってコミュニケーションのズレを解消できる税理士は、
今はまだそれほど多くはないかもしれません。
ただ、もし幸いなことに、みなさんの顧問税理士が
そんな協力をしてくれる方なら、この記事を見せて
「こんな話をしてもらえませんか」と、
相談してみてはいかがでしょうか。
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