社員が会社に求めているものは問題や不満の解決だけではない意外なこととは?

社員

社員が会社に求めているものは問題や不満の解決だけではない意外なこととは?

2021-07-26

社員が会社に求めているものはなんでしょうか?

何か社内で問題が起こったときの解決策?

不満の解消?

給与のアップ?

このように社員が会社に要求を訴えることはよくありますが、
時に微妙なズレですれ違うことがあります。

ある製造加工業の会社で、リーダー会議をおこなったときのこと。

そこでは、各部署ごとに問題と感じる最重要事項を
1つずつ発表することになっていました。

そして、リーダーの1人が、ここ数カ月の度重なる新規案件に
対応が追い付かず、慢性的な納期遅れでお客様に迷惑をかけている上に、
人の補充がなかなか進まない事態を強い口調で指摘。

「リーダーはじめ、現場のスタッフは連日の残業と休日を返上して、
ぎりぎりの状態をなんとか乗り切っている状況なんです。

いったい、いつになったら変わるんですか!?」

もちろん、その会社もすべき手は打っています。

限られた人員と設備の配置を工夫して、
最大のパフォーマンスが出るようにしているし、
採用活動もしています。

しかし、肉体的にハードな業種柄、若い人が入っても、
数週間で退職する始末。

リーダーに指摘されるまでもなく、誰よりも、経営陣が
一番そのことに頭を悩ましていることは明らか。

こんなとき、経営陣がつい

「そんなことはわかっているし、やるべきことはやっている!」

と感情的に反応してしまうことはよくあることです。

しかし、そのときは違いました。

リーダーの次の一言に、その場にいたメンバーの視点が
ガラッと切り替わったのです。

「わたしは、何も解決策を聞かせてほしいわけじゃないんです。

ただ、会社が今どんな手を打っていて、今後どうなりそうなのか、
を知りたいんです。希望を持ちたいんです」

その瞬間、経営陣一同、ハッとした表情をしました。

「希望を持ちたい」

この本音の声は、わたしにも大きな気づきを与えてくれました。

ビジネスでは、すぐに解決策を探そうとしがち。

そして、それが見いだせた時には情報を開示するが、
そうでなければ、「かえって混乱させるのも何だから」と、
途中経過はクローズドにしがち。

経営者としては、良かれと思ってそうしているのです。

しかし、先の見通しがわかることで、希望を持てて、
精神的負担が軽くなる。

社員に 「何度言っても変わらない!」本当の理由は?

2021-07-12

社員にとってメリットがある指示をしているのに、
ちっとも変わらないことがあります。

たとえば、「残業せずに早く帰りなさい」という指示。

ダラダラ長くやるより、段取りよく集中してやることで、
会社としては必要以上の残業代を軽減できます。

一方、社員にとっても、早く帰ってゆっくり休んだり、
遊びにいったり、家族との時間を過ごせるなど、
メリットがある指示のはず。

それなのに、なぜか行動に移されない。

そんなケースは多くの会社でみられます。

その本当の理由は何なのでしょうか?

そこで、ある会社で現場の社員たちに実際のところを
ヒアリングしてみたところ、次のような本音が隠れていました。

1)「早く終わると面倒なことが待っている
(他のことをやらされる)のではないか?」

2)「本当に早く帰ると、『自分だけ先に帰って冷たいヤツ』
と陰口を言われるのではないか?」

3)「もし早く仕上げると、次から会社の要求基準が引き上がって、
ますます大変になるのではないか?」

いずれも、言われてみれば納得の疑問です。

しかしながら、それを上司や社長にストレートに言える人は
いませんでした。なぜなら、

いずれもネガティブな疑問なので、
自分の評価が下がることを恐れるからです。

ただこのときは、第三者の私が

「何を言っても否定しない、説得しない」

という安心安全ポジティブな場をつくった上で
ヒアリングしたから出てきた本音でした。

その会社では、専務が翌日全体ミーティングを開き、

「早く帰ることを会社が推奨する意図と、気兼ねは不要である理由」

「早く帰れる人は努力している証であり陰口は論外」

「早く仕上がって、仮に会社の要求基準が上がるときは、
休みやボーナスが増えるなど社員への還元も伴うこと」

の確認をしました。

さらに、その日から18時に5分間の夕礼を行い、
残りの作業量を全員で共有したところ、
それまでより1時間以上、残業が減りはじめました。

「何度言っても変わらない」とき、その本当の理由がどこにあるか、
を知っておくことは、効果のある対策を打つ上で
とても大切なことだと再認識しました。

自発的に動かない社員が自律的な成長をするようになる秘訣とは

2021-06-07

スタッフや社員が自主的に考えて動いて欲しい!
指示まちではなく、自ら考えて行動できる自律的なスタッフになって欲しい。

そのように考えている社長は多いと思います。

「スタッフがもう少し、アタマを使ってくれるといいんだが…」
「最近の若い子は、自分のアタマで考えようとしない」

そんなボヤキを口にしたことはありませんか?
スタッフの成長を促すのはエネルギーを使いますよね。

そこで今回は、社長や上司がそれほど時間的・精神的労力をかけなくても、
スタッフが自律的に成長していく方法をご紹介します。

スタッフ教育において、直接教えることはもちろん必要です。

でも、上からモノを言われているうちは、
その知識を覚えることはあっても、
頭をつかって考えることにはなりません。

アタマを使うスタッフに育って欲しければ、
アタマを使わざるを得ない場をつくってみてはどうでしょうか?

ある会社では、「社内発表会」を開催しています。

年1回、自分の役割の中で学んだことや気づいたことを
20~30分程度、皆の前で発表するのです。

そのために1日を確保し、場所も社内ではなく、
会場を借りて行います。

発表はパソコンを使い、プロジェクターでスクリーンに映しながら、
視覚的にも伝わるようにします。

この発表会のメリットは、教育効果の点から次の3点あります。

1.
人前で発表するという緊張感から、スタッフが日常の仕事を
「意識して」行うようになり、「どのような工夫をすべきか」を
自ら考えて動き始める。

2.
発表(アウトプット)を前提に仕事をするため、
理解・吸収(インプット)するスピードが速くなる。

3.
人にちゃんと「伝わる」よう、表現力がきたえられ、
パソコンの操作方法を学ぶ機会にもなる。

また、それに投入する労力の観点からは、2つのメリットがあります。

1.
発表内容が日常の仕事に直結しているため、
形だけで実践でつかえない無駄な強制をするなどの、
遠回りをしなくて済む。

2.
社長や上司は、事前に発表のまとめかたの相談を受けることはあっても、
基本的に発表会当日に時間を割くだけでいいので、過剰な負担はかからない。

わたしの会社でも先日開催しましたが、
参加者全員が価値を十分に実感できました。

とは言え、いきなり大袈裟にやると、
敷居が高すぎて手がつかずに過ぎてしまうものです。

自発的に動かない社員にアタマを使わざるを得ない場をつくってみてはどうでしょうか?

「現状認識を社員と共有するトーク」を成功させる方法

2021-05-17

このキャッシュフロートークが社員の共感と理解を得て、
行動を促すためには、思いつきでテキトーにしゃべってはいけません。

トークを予め設計することが肝心。

そしてその際に押さえておきたい3大ポイントがあります。
それを簡潔にお伝えしておきましょう。

① 安心感と緊張感の両立
このキャッシュフロートークの目的は、
社員に同じ危機感を持ってもらい、行動してもらう ことです。

そのためには、適度な緊張感を与える必要があります。

と同時に、「倒産寸前なのでは!?」などの誤解がないよう、
安心感も必要。その両立を意識してトークを設計します。

② 会社と社員の幸せの一致点の追求
会社の幸せと社員の幸せがあるとします。

その社員が今この会社に所属しているのは、
程度の大小こそあれ、そこにお互いの幸せの一致点があるからです。

それは「生活費を稼げるから」というレベルから
「人生のミッションを果たす場が与えられるから」
というレベルまで様々ですが。

そして、人が一番興味があるのは、自分の幸せです。

自分がある程度、満たされてこそ、周りの幸せにも気が向く。
そんな人が大多数ではないでしょうか。

ならば、
会社と社員の幸せの一致点はどこにあるのか、
そしてどうすればその面積は広がるのか、
に意識を向けてトークを設計します。

③ ビジョンや理念との整合性
人は、「今やっていることの中に意味を見出したい」生き物です。

その意味は、「生活費を稼ぐため」という
日常レベルのことだけでなく、

「大いなることのために事を成す」

ようなスケールの大きなこともあっていいでしょう。

それは会社で言えば、ビジョンや理念の実現です。

それとどう関連があるのか、をきちんと結びつけることで、
提示された目標や指示を完遂しようという動機が強まります。

さて、トークの設計ができたところで、
これをすべて社長が一人でしゃべるのは、
よほど弁の立つ人でない限り難しいかもしれません。

そこで、現実的で簡単、かつ
もっとも効果的な方法を紹介しましょう。

それは、Step1からStep6までは顧問税理士など
第三者にしゃべってもらい、最後の締めくくりのStep7だけを
社長が熱く語る、という二人三脚作戦です。

この役割分担が一番スムーズです。

もっとも、このように社長と社員の間に立って、
経営数字を使ってコミュニケーションのズレを解消できる税理士は、
今はまだそれほど多くはないかもしれません。

ただ、もし幸いなことに、みなさんの顧問税理士が
そんな協力をしてくれる方なら、この記事を見せて
「こんな話をしてもらえませんか」と、
相談してみてはいかがでしょうか。

「現状認識を社員と共有するにはどうすればいいのか?」を解決する方法

2021-05-10

「社長が数字にこだわる意味」を社員に正しく伝える!

Step.1 会社のお金の流れの全体図を教える
最初に1つ注意点があります。

社員に情報を共有するからといって、
くれぐれも会社の具体的な数字をいきなり出さないでください。

ましてや、決算書や月々の試算表の数字の羅列した表を
配布するのも論外です。

なぜなら、情報量が多過ぎて、
社員はどこを見てよいかわからなくなるからです。

そんな状況の中、社長が情熱を込めて説明したところで、
社員の目は資料のどこを見ればいいのかを探すのに精一杯で、
社長の言葉は上滑りして右から左へ流れてしまいます。

そこで、第一ステップは「会社のブロックパズル」をつかって、

「会社の中にどのようにお金が入り、
どのように出ていき、いくら残るのか」

を一般論として教えます。

それによって、社員はこれから始まる社長の話を
受け止める用意ができるのです。

この図は一度説明されただけでは、
社員にとってみればその他の膨大な日常業務に
埋もれて忘れ去られています。

なので、以前に説明したことがあっても、

「大切なことだから、復習のつもりでノートにメモしながら聞くように」

と促すぐらいがちょうどいいです。

Step.2 会社が今、どのステージにいるのか、を示す
前に、社員に過不足なく今の会社の状況がどうなのか
を伝えるためのポイントは

「全体の中における当社の位置づけ」を客観視して伝える

ことだとお伝えしましたね。

その方法の1つは、
「収支構造にはレベル1からレベル6まである」
という話をすることです。

次の図のように、レベル1の「存続ピンチ会社」から
レベル6「優秀無借金会社」まで6段階ある中で、
当社は今どこにいて、次に目指すのはどこなのか。

Step.3 会社がこれから目指しているステージを示す

Step.4 そこに到達するための条件を示し、他の案を社員にも考えさせる

「客数を増やす」以外にも
「客単価のアップ」「リピーターを増やす」など
キャッシュフロー目標を達成する道はあります。

なので、いくつか選択肢を示した上で、
どの道がベストかを伝えます。

なお、不満を言うだけでアイデアを言わない
社員がいる場合には、

「これよりも良い案がある人は教えてほしい」
と社員にも考えさせるのも手です。

Step.5 そこに到達したときの明るい世界を語る(会社、社員、お客さんそれぞれのメリット)
前にお伝えしたように、社長がお金や数字を連呼するほどに、
社員はシラケてしまうのを避けるためには、

「その数字にはどういう意味があるのか」
を社員の共感を得られる形で伝える工夫が必要です。

それは、そこに到達したときにどんな明るい世界が待っているのか、
を語ることです。

それも、会社、社員、お客さんのそれぞれにとっての
意味を語りましょう。

・ 会社にとって
→銀行から借りて返す自転車操業から脱却して、
本当の意味で健康的な黒字企業になる。

・ 社員にとって
→資金繰りが安定することで雇用が永続し、
成果を分配する原資も捻出できるようになる

・ お客さんにとって
→会社のサービスが良くなり、多くの商品が世の中に出回るようになると、
より多くのお客さんが当会社のサービスや商品を
受けられるようになり、すなわち私たちがより多くのお客さんの
幸せや満足に関わることができる。

Step.6 ビジョンや理念との整合性を語り、意味づけする

Step.7 命令ではなくLet’s でベクトルを揃える
「その実現のための条件は、
現状の売上高を1割増やし、在庫の回転率の1割スピードアップです。

段取りの改善と動きの効率化の工夫、そして
一人一人の意識の持ち方。それで実現できます。

今年この目標が達成できれば、いったん身に付いた
スピード感は落ちることはないので、その後はラクになると思う。

だから今年1年が勝負です。

どうだろう? みんなの幸せのため、会社の理念実現のため、
一緒にやってみませんか?」

そんな感じでLet’s「〜しよう」で締めくくります。

つい癖で「〜してください」「〜しなさい」と
命令口調で言う人がいますが、一般的に人は
他人から命令されたくないものです。

本人の自主性を促す意味でも、締めくくりは命令ではなく
Let’sで締めくくることをお勧めします。

社員が積極的に営業をしてくれない。目標売上に達していなくても危機感がない。を解決する方法

2021-04-26

なぜ社員には社長の危機感が伝わらないのか?
社長が会社のお金をよく理解し、何をすべきかがわかった頃に、
実は新たな問題が顕在化します。

それは、社長と社員の危機感のズレです。

社長からすると、平和そうな表情で
昨日と今日が何も変わらないような社員の仕事ぶりを見るにつけ、

「会社がこんなに大変な状況なのに、よくそんなノホホンとしていられるな!?」

と腹立たしく感じることも一度や二度ではないでしょう。

この危機感のズレは、どこから来るのでしょうか?

「社員の能力が低いから?」

「社員にやる気がないから?」

たいていの場合は、そのどちらでもありません。

ズレの原因は、社長の頭の中と社員の頭の中にある
「情報量の不一致」から生じるのです。

社長には見えていて、社員には見えていない情報があるから、
現状の捉え方にズレが出て、それが危機感のズレとして映る のです。

「では、現状認識を社員と共有するにはどうすればいいのでしょうか?」

そこには、社員の誤解から「優秀な社員が退職」したり
「社長への尊敬を失う」などの落とし穴も潜んでいるので、
それを踏まえて具体的にお話ししていきましょう。

落とし穴①「ウチの会社、そんなにピンチなのか?」と誤解される怖さ
まず、社員と会社の収支状況を共有するときに
気をつけなければならないことは、
社員に「必要以上に心配させない」ことです。

本当は業界平均と比べれば中の上くらいの状態なのに、
社長が「ウチは資金繰りが厳しいんだ」「ギリギリでやっている」
と連発することで、(この会社、もう1年ももたないのでは!?)と
誤解した優秀な社員が、先手を打って退職してしまう、
なんていうことがあってはお互いに不幸です。

したがって、過不足なく今の会社の状況がどうなのかを
伝える工夫が必要です。

そのコツは
「全体の中における当社の位置づけ」を客観視して伝える
ことです。

落とし穴②「社長はお金の話ばかり、亡者か?」と誤解される怖さ
もう1つ気をつけておきたいことは、
社長が「お金、お金」と連発すると、
とくに最近の若い社員は興ざめしてしまうところがあります。

場合によっては、「社長の金儲けのために
俺たち働かされているんじゃないか?」という気持ちになって、
社長が数字を口にするのに反比例してモチベーションが下がる
ことすらあります。

「その数字にはどういう意味があるのか」を
社員の共感を得られる形で伝える工夫が必要です。

これら2つの落とし穴を避けて、
きちんと社長の頭の中の情報を社員の頭の中に届けることが大切。

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