部下への上手な指摘の仕方は注意ではなく“質問形”で行う

5月, 2021年

部下への上手な指摘の仕方は注意ではなく“質問形”で行う

2021-05-31

部下のミスを指摘や注意するのは嫌がれますよね。

指摘ばかりすると嫌われると恐れて何も言えなくなってしまう人も多いです。

しかし、職場では指摘を全くしないわけにはいけません。

中には、感情の浮き沈みが激しくて、同僚や先輩がちょっと注意をすると、すぐにムカっとした表情をする人、いませんか?

その表情を見ているとこちらもイライラしてきて、つい口数を少なくしてしまうのですが、注意すべきことを放置するわけにもいきません。

そんなとき、どのような伝え方をするといいのでしょう?

今回は今すぐできる、部下への上手な指摘の仕方のちょっとした工夫をご紹介します。

それは、「要求したい指摘をすべて質問形で言う」のです。上司としては、すぐに結論をいいたい、つまり注意をしたいもの。でも目的を果たさなければ何の意味もありませんね。

では、目的とは何でしょう?それは「本人に気づかせ、態度ややり方を変えようと決意させること」です。

たとえばこんなシーンを想像してみてください。

あるスタッフのやり方が非常に雑で、お客さんが嫌そうな表情をしています。

そして、先輩であるあなたはその現場を目撃しました。そのスタッフに悪気はないので、おそらく雑にやっているという意識はないものと思われます。

そして、あなたが指摘しない限り、そのスタッフは今後もずっとそのような雑なやり方を続けるでしょう。

そこで、あなたが先輩としてそのスタッフを呼びつけて、
「加藤さん、あなたの説明のやり方、ちょっと雑すぎるよ。お客さんが嫌そうな顔をしていたよ。もう少し丁寧にやらなきゃ」
と言ったとします。

先輩の言っていることはおそらく正しいので、そのスタッフも一応、うなずきますが、あまり反省した様子には見えません。

むしろ「わかってるわよ」と反発しています。(「わかっている」のと「できる」は別なんですが・・・)その意外なリアクションに、先輩は、ムッとします。

こうして、コミュニケーションのミゾは拡大していきます。そういうときに、先輩が冒頭で紹介したように、質問形で言うと、どうなるでしょうか?

「さっき見ていて気になったことがあるから、1つ聞いていいかな?説明のときに、丁寧に配慮しながらやることが大切なことはわかっていると思うけど、加藤さん、どのくらい意識してやってる?」

この表現だと、「丁寧に説明すべき」ということはすでにわかっている前提で、話をしています。

しかも直接的に注意はされておらず、意識している度合いを聞かれただけなので、上司に対してスタッフは悪態をつきにくいことになります。

相手を変えるのは簡単ではありませんよね。

ならば、こちらがちょっと言い方を工夫することで相手の反応が変わってくれるなら、その表現を工夫してみるのも手ではないでしょうか。

上司の曖昧な指示でもやり直しの手間が減る仕事の受け方とは?

2021-05-24

「ウチのスタッフは、指示したことの意味を考えずに、
言われたままをやってしまうんだよなあ。
もう少し考えてくれればわかると思うんだけど」

という上司の声を聞くことがあります。

一方、部下のスタッフは

「上司は指示があいまいで、何を期待しているのか
よくわからないんです。かと言って、余計なことを聞いて
『そんなこともわからないのか!?』と思われるのも嫌だし・・・」

と思っていたりします。

たとえばこんな例がありました。社長が

「商品ごとの販売数とクライアントごとの売上数を集計する表をつくって
もらえますか?記録をとっていきたいんだ」

とスタッフに依頼をしました。

ただ、社長の頭の中にはその具体的なイメージが
あるのでしょうが、このセリフの中には依頼内容が
ほんの一部しか表現されていません。

このとき、スタッフはどのような表をつくったか?

単純に30日間の日付をズラッと横に並べて、
その下に販売数と売上数を入力するだけの簡単な表。

その月の合計値を表示する欄もなく、また
今年1年の月別の推移を見るような表もなく、
非常に見づらいモノになっていました。

そして社長はそのスタッフにやり直しを指示しました。

このとき、上司も部下も嫌な思いをしています。

上司は自分の期待レベルに達しないスタッフにガッカリし、
不満を抱きます。

そして部下は自分の評価を低く見られた上に
時間を余計に割く羽目に。

そのようなお互いにストレスを抱えるようなことを
予防する道はないものでしょうか?

あります!

それは、
「仕事を依頼された瞬間に、上司の指示の意図をたずねる」
ことです。

たとえば今回の例のように
「販売数と売上数の集計表をつくってほしい」
という場合は、ちょっと勇気を出して

「それはどのような表に仕上がればベストですか?」

と上司に尋ねてみるのです。

すると、

「そうだな、販売数と売上数を商品ごとクライアントごとそれぞれの数を手入力していくと、
毎月の記録が自動計算で出てくるようなものがあると助かるんだが。
というのも、販売数と売上数の目標を毎月どれだけクリアしているか、
新規開拓のクライアントの割合がどれだけ増えているかを把握したいんだ」

と教えてくれることでしょう。

そうしたら、その場でコピー用紙を1枚取り出して、

「こんな感じの表ですか?」

と図に書きながら一緒に確認していくのも良いでしょう。

ほんの10分程度の会話の中で、期待されている完成物の
原型が仕上がるので、あとはそれを形にするだけの作業に変わります。

「現状認識を社員と共有するトーク」を成功させる方法

2021-05-17

このキャッシュフロートークが社員の共感と理解を得て、
行動を促すためには、思いつきでテキトーにしゃべってはいけません。

トークを予め設計することが肝心。

そしてその際に押さえておきたい3大ポイントがあります。
それを簡潔にお伝えしておきましょう。

① 安心感と緊張感の両立
このキャッシュフロートークの目的は、
社員に同じ危機感を持ってもらい、行動してもらう ことです。

そのためには、適度な緊張感を与える必要があります。

と同時に、「倒産寸前なのでは!?」などの誤解がないよう、
安心感も必要。その両立を意識してトークを設計します。

② 会社と社員の幸せの一致点の追求
会社の幸せと社員の幸せがあるとします。

その社員が今この会社に所属しているのは、
程度の大小こそあれ、そこにお互いの幸せの一致点があるからです。

それは「生活費を稼げるから」というレベルから
「人生のミッションを果たす場が与えられるから」
というレベルまで様々ですが。

そして、人が一番興味があるのは、自分の幸せです。

自分がある程度、満たされてこそ、周りの幸せにも気が向く。
そんな人が大多数ではないでしょうか。

ならば、
会社と社員の幸せの一致点はどこにあるのか、
そしてどうすればその面積は広がるのか、
に意識を向けてトークを設計します。

③ ビジョンや理念との整合性
人は、「今やっていることの中に意味を見出したい」生き物です。

その意味は、「生活費を稼ぐため」という
日常レベルのことだけでなく、

「大いなることのために事を成す」

ようなスケールの大きなこともあっていいでしょう。

それは会社で言えば、ビジョンや理念の実現です。

それとどう関連があるのか、をきちんと結びつけることで、
提示された目標や指示を完遂しようという動機が強まります。

さて、トークの設計ができたところで、
これをすべて社長が一人でしゃべるのは、
よほど弁の立つ人でない限り難しいかもしれません。

そこで、現実的で簡単、かつ
もっとも効果的な方法を紹介しましょう。

それは、Step1からStep6までは顧問税理士など
第三者にしゃべってもらい、最後の締めくくりのStep7だけを
社長が熱く語る、という二人三脚作戦です。

この役割分担が一番スムーズです。

もっとも、このように社長と社員の間に立って、
経営数字を使ってコミュニケーションのズレを解消できる税理士は、
今はまだそれほど多くはないかもしれません。

ただ、もし幸いなことに、みなさんの顧問税理士が
そんな協力をしてくれる方なら、この記事を見せて
「こんな話をしてもらえませんか」と、
相談してみてはいかがでしょうか。

「現状認識を社員と共有するにはどうすればいいのか?」を解決する方法

2021-05-10

「社長が数字にこだわる意味」を社員に正しく伝える!

Step.1 会社のお金の流れの全体図を教える
最初に1つ注意点があります。

社員に情報を共有するからといって、
くれぐれも会社の具体的な数字をいきなり出さないでください。

ましてや、決算書や月々の試算表の数字の羅列した表を
配布するのも論外です。

なぜなら、情報量が多過ぎて、
社員はどこを見てよいかわからなくなるからです。

そんな状況の中、社長が情熱を込めて説明したところで、
社員の目は資料のどこを見ればいいのかを探すのに精一杯で、
社長の言葉は上滑りして右から左へ流れてしまいます。

そこで、第一ステップは「会社のブロックパズル」をつかって、

「会社の中にどのようにお金が入り、
どのように出ていき、いくら残るのか」

を一般論として教えます。

それによって、社員はこれから始まる社長の話を
受け止める用意ができるのです。

この図は一度説明されただけでは、
社員にとってみればその他の膨大な日常業務に
埋もれて忘れ去られています。

なので、以前に説明したことがあっても、

「大切なことだから、復習のつもりでノートにメモしながら聞くように」

と促すぐらいがちょうどいいです。

Step.2 会社が今、どのステージにいるのか、を示す
前に、社員に過不足なく今の会社の状況がどうなのか
を伝えるためのポイントは

「全体の中における当社の位置づけ」を客観視して伝える

ことだとお伝えしましたね。

その方法の1つは、
「収支構造にはレベル1からレベル6まである」
という話をすることです。

次の図のように、レベル1の「存続ピンチ会社」から
レベル6「優秀無借金会社」まで6段階ある中で、
当社は今どこにいて、次に目指すのはどこなのか。

Step.3 会社がこれから目指しているステージを示す

Step.4 そこに到達するための条件を示し、他の案を社員にも考えさせる

「客数を増やす」以外にも
「客単価のアップ」「リピーターを増やす」など
キャッシュフロー目標を達成する道はあります。

なので、いくつか選択肢を示した上で、
どの道がベストかを伝えます。

なお、不満を言うだけでアイデアを言わない
社員がいる場合には、

「これよりも良い案がある人は教えてほしい」
と社員にも考えさせるのも手です。

Step.5 そこに到達したときの明るい世界を語る(会社、社員、お客さんそれぞれのメリット)
前にお伝えしたように、社長がお金や数字を連呼するほどに、
社員はシラケてしまうのを避けるためには、

「その数字にはどういう意味があるのか」
を社員の共感を得られる形で伝える工夫が必要です。

それは、そこに到達したときにどんな明るい世界が待っているのか、
を語ることです。

それも、会社、社員、お客さんのそれぞれにとっての
意味を語りましょう。

・ 会社にとって
→銀行から借りて返す自転車操業から脱却して、
本当の意味で健康的な黒字企業になる。

・ 社員にとって
→資金繰りが安定することで雇用が永続し、
成果を分配する原資も捻出できるようになる

・ お客さんにとって
→会社のサービスが良くなり、多くの商品が世の中に出回るようになると、
より多くのお客さんが当会社のサービスや商品を
受けられるようになり、すなわち私たちがより多くのお客さんの
幸せや満足に関わることができる。

Step.6 ビジョンや理念との整合性を語り、意味づけする

Step.7 命令ではなくLet’s でベクトルを揃える
「その実現のための条件は、
現状の売上高を1割増やし、在庫の回転率の1割スピードアップです。

段取りの改善と動きの効率化の工夫、そして
一人一人の意識の持ち方。それで実現できます。

今年この目標が達成できれば、いったん身に付いた
スピード感は落ちることはないので、その後はラクになると思う。

だから今年1年が勝負です。

どうだろう? みんなの幸せのため、会社の理念実現のため、
一緒にやってみませんか?」

そんな感じでLet’s「〜しよう」で締めくくります。

つい癖で「〜してください」「〜しなさい」と
命令口調で言う人がいますが、一般的に人は
他人から命令されたくないものです。

本人の自主性を促す意味でも、締めくくりは命令ではなく
Let’sで締めくくることをお勧めします。

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