「現状認識を社員と共有するトーク」を成功させる方法

記事

「現状認識を社員と共有するトーク」を成功させる方法

2021-05-17

このキャッシュフロートークが社員の共感と理解を得て、
行動を促すためには、思いつきでテキトーにしゃべってはいけません。

トークを予め設計することが肝心。

そしてその際に押さえておきたい3大ポイントがあります。
それを簡潔にお伝えしておきましょう。

① 安心感と緊張感の両立
このキャッシュフロートークの目的は、
社員に同じ危機感を持ってもらい、行動してもらう ことです。

そのためには、適度な緊張感を与える必要があります。

と同時に、「倒産寸前なのでは!?」などの誤解がないよう、
安心感も必要。その両立を意識してトークを設計します。

② 会社と社員の幸せの一致点の追求
会社の幸せと社員の幸せがあるとします。

その社員が今この会社に所属しているのは、
程度の大小こそあれ、そこにお互いの幸せの一致点があるからです。

それは「生活費を稼げるから」というレベルから
「人生のミッションを果たす場が与えられるから」
というレベルまで様々ですが。

そして、人が一番興味があるのは、自分の幸せです。

自分がある程度、満たされてこそ、周りの幸せにも気が向く。
そんな人が大多数ではないでしょうか。

ならば、
会社と社員の幸せの一致点はどこにあるのか、
そしてどうすればその面積は広がるのか、
に意識を向けてトークを設計します。

③ ビジョンや理念との整合性
人は、「今やっていることの中に意味を見出したい」生き物です。

その意味は、「生活費を稼ぐため」という
日常レベルのことだけでなく、

「大いなることのために事を成す」

ようなスケールの大きなこともあっていいでしょう。

それは会社で言えば、ビジョンや理念の実現です。

それとどう関連があるのか、をきちんと結びつけることで、
提示された目標や指示を完遂しようという動機が強まります。

さて、トークの設計ができたところで、
これをすべて社長が一人でしゃべるのは、
よほど弁の立つ人でない限り難しいかもしれません。

そこで、現実的で簡単、かつ
もっとも効果的な方法を紹介しましょう。

それは、Step1からStep6までは顧問税理士など
第三者にしゃべってもらい、最後の締めくくりのStep7だけを
社長が熱く語る、という二人三脚作戦です。

この役割分担が一番スムーズです。

もっとも、このように社長と社員の間に立って、
経営数字を使ってコミュニケーションのズレを解消できる税理士は、
今はまだそれほど多くはないかもしれません。

ただ、もし幸いなことに、みなさんの顧問税理士が
そんな協力をしてくれる方なら、この記事を見せて
「こんな話をしてもらえませんか」と、
相談してみてはいかがでしょうか。

「現状認識を社員と共有するにはどうすればいいのか?」を解決する方法

2021-05-10

「社長が数字にこだわる意味」を社員に正しく伝える!

Step.1 会社のお金の流れの全体図を教える
最初に1つ注意点があります。

社員に情報を共有するからといって、
くれぐれも会社の具体的な数字をいきなり出さないでください。

ましてや、決算書や月々の試算表の数字の羅列した表を
配布するのも論外です。

なぜなら、情報量が多過ぎて、
社員はどこを見てよいかわからなくなるからです。

そんな状況の中、社長が情熱を込めて説明したところで、
社員の目は資料のどこを見ればいいのかを探すのに精一杯で、
社長の言葉は上滑りして右から左へ流れてしまいます。

そこで、第一ステップは「会社のブロックパズル」をつかって、

「会社の中にどのようにお金が入り、
どのように出ていき、いくら残るのか」

を一般論として教えます。

それによって、社員はこれから始まる社長の話を
受け止める用意ができるのです。

この図は一度説明されただけでは、
社員にとってみればその他の膨大な日常業務に
埋もれて忘れ去られています。

なので、以前に説明したことがあっても、

「大切なことだから、復習のつもりでノートにメモしながら聞くように」

と促すぐらいがちょうどいいです。

Step.2 会社が今、どのステージにいるのか、を示す
前に、社員に過不足なく今の会社の状況がどうなのか
を伝えるためのポイントは

「全体の中における当社の位置づけ」を客観視して伝える

ことだとお伝えしましたね。

その方法の1つは、
「収支構造にはレベル1からレベル6まである」
という話をすることです。

次の図のように、レベル1の「存続ピンチ会社」から
レベル6「優秀無借金会社」まで6段階ある中で、
当社は今どこにいて、次に目指すのはどこなのか。

Step.3 会社がこれから目指しているステージを示す

Step.4 そこに到達するための条件を示し、他の案を社員にも考えさせる

「客数を増やす」以外にも
「客単価のアップ」「リピーターを増やす」など
キャッシュフロー目標を達成する道はあります。

なので、いくつか選択肢を示した上で、
どの道がベストかを伝えます。

なお、不満を言うだけでアイデアを言わない
社員がいる場合には、

「これよりも良い案がある人は教えてほしい」
と社員にも考えさせるのも手です。

Step.5 そこに到達したときの明るい世界を語る(会社、社員、お客さんそれぞれのメリット)
前にお伝えしたように、社長がお金や数字を連呼するほどに、
社員はシラケてしまうのを避けるためには、

「その数字にはどういう意味があるのか」
を社員の共感を得られる形で伝える工夫が必要です。

それは、そこに到達したときにどんな明るい世界が待っているのか、
を語ることです。

それも、会社、社員、お客さんのそれぞれにとっての
意味を語りましょう。

・ 会社にとって
→銀行から借りて返す自転車操業から脱却して、
本当の意味で健康的な黒字企業になる。

・ 社員にとって
→資金繰りが安定することで雇用が永続し、
成果を分配する原資も捻出できるようになる

・ お客さんにとって
→会社のサービスが良くなり、多くの商品が世の中に出回るようになると、
より多くのお客さんが当会社のサービスや商品を
受けられるようになり、すなわち私たちがより多くのお客さんの
幸せや満足に関わることができる。

Step.6 ビジョンや理念との整合性を語り、意味づけする

Step.7 命令ではなくLet’s でベクトルを揃える
「その実現のための条件は、
現状の売上高を1割増やし、在庫の回転率の1割スピードアップです。

段取りの改善と動きの効率化の工夫、そして
一人一人の意識の持ち方。それで実現できます。

今年この目標が達成できれば、いったん身に付いた
スピード感は落ちることはないので、その後はラクになると思う。

だから今年1年が勝負です。

どうだろう? みんなの幸せのため、会社の理念実現のため、
一緒にやってみませんか?」

そんな感じでLet’s「〜しよう」で締めくくります。

つい癖で「〜してください」「〜しなさい」と
命令口調で言う人がいますが、一般的に人は
他人から命令されたくないものです。

本人の自主性を促す意味でも、締めくくりは命令ではなく
Let’sで締めくくることをお勧めします。

社員が積極的に営業をしてくれない。目標売上に達していなくても危機感がない。を解決する方法

2021-04-26

なぜ社員には社長の危機感が伝わらないのか?
社長が会社のお金をよく理解し、何をすべきかがわかった頃に、
実は新たな問題が顕在化します。

それは、社長と社員の危機感のズレです。

社長からすると、平和そうな表情で
昨日と今日が何も変わらないような社員の仕事ぶりを見るにつけ、

「会社がこんなに大変な状況なのに、よくそんなノホホンとしていられるな!?」

と腹立たしく感じることも一度や二度ではないでしょう。

この危機感のズレは、どこから来るのでしょうか?

「社員の能力が低いから?」

「社員にやる気がないから?」

たいていの場合は、そのどちらでもありません。

ズレの原因は、社長の頭の中と社員の頭の中にある
「情報量の不一致」から生じるのです。

社長には見えていて、社員には見えていない情報があるから、
現状の捉え方にズレが出て、それが危機感のズレとして映る のです。

「では、現状認識を社員と共有するにはどうすればいいのでしょうか?」

そこには、社員の誤解から「優秀な社員が退職」したり
「社長への尊敬を失う」などの落とし穴も潜んでいるので、
それを踏まえて具体的にお話ししていきましょう。

落とし穴①「ウチの会社、そんなにピンチなのか?」と誤解される怖さ
まず、社員と会社の収支状況を共有するときに
気をつけなければならないことは、
社員に「必要以上に心配させない」ことです。

本当は業界平均と比べれば中の上くらいの状態なのに、
社長が「ウチは資金繰りが厳しいんだ」「ギリギリでやっている」
と連発することで、(この会社、もう1年ももたないのでは!?)と
誤解した優秀な社員が、先手を打って退職してしまう、
なんていうことがあってはお互いに不幸です。

したがって、過不足なく今の会社の状況がどうなのかを
伝える工夫が必要です。

そのコツは
「全体の中における当社の位置づけ」を客観視して伝える
ことです。

落とし穴②「社長はお金の話ばかり、亡者か?」と誤解される怖さ
もう1つ気をつけておきたいことは、
社長が「お金、お金」と連発すると、
とくに最近の若い社員は興ざめしてしまうところがあります。

場合によっては、「社長の金儲けのために
俺たち働かされているんじゃないか?」という気持ちになって、
社長が数字を口にするのに反比例してモチベーションが下がる
ことすらあります。

「その数字にはどういう意味があるのか」を
社員の共感を得られる形で伝える工夫が必要です。

これら2つの落とし穴を避けて、
きちんと社長の頭の中の情報を社員の頭の中に届けることが大切。

「社員の採用に悩んでいる」「社員が辞めてしまう」を解決する方法

2021-04-19

今、多くの会社で「社員の採用に悩んでいる」
と言う声が飛び交っています。

あなたの会社ではいかがでしょうか?

もし当てはまるなら、新たな社員の採用活動と並行して、
同時に、既にいる社員を引き止めること、つまり
「離職率を下げる取り組み」が重要になってきます。

実際のところ、「やりがいが感じられない」と言う理由で、
簡単に会社を辞めてしまう人も多いようです。

最近では、入社して3年後に入社した社員の3分1が退職していると
言われています。

そして、特に問題とされているのは、
若手社員らが次々辞めていく「連鎖退職」です。

ある日突然社員が次々と辞めていく。

このような連鎖退職が原因の倒産も、今増えてきています。

なぜこのような問題が起こるのか?

それは世代間での価値観の違いも多いかと思います。

本当は「上司に話を聞いてほしい」「悩みを相談したい」と思っていても、
「仕事は、見て覚えるものだ!」「自分で盗め!」というように、
部下に対して、ただ「頑張れ」と努力と根性で、
鼓舞したりしていないでしょうか?

この様な”体育会系的な価値観”を持った世代が、
会社を支えてきた事実は確かにあります。

ただ、だからと言って、これを「最近の若者は根性がない」
などと断罪してしまうのは簡単ですが、
それでは根本的な解決策にはなりませんね。

そこで、「なぜ社員が辞めてしまうのか」の理由について
掘り下げてみましょう。

まず、やりがいが感じられないと言う言葉の裏には、
2つの理由があると考えられます。

1つは、「①意味のわからない仕事の振り方をされる」から。

つまり具体的な説明もなく、ただ「これをやっておけ」と言われ、
それが何のためにやるのかもよくわからず、
単なる作業としてやっている場合です。

その場合、社員はそこに意味を見いだすことができず、
やりがいが感じられません。

もう一つは、「②やっても認めてくれない」から。

つまり、上達している実感が持てないので、
気力が持たないと言うことです。

そして、やりがいが感じられない時に、
誰か先輩に相談できれば良いのですが、
「③誰に相談していいかがわからず、孤立無縁になっている」
状況が続くと、やりがいが見出せず、辞める可能性が高まるでしょう。

以上の3つは、「給料が高いかどうか」あるいは
「休みが多いかどうか」などの待遇面とは関係がありません。

いわゆる「仕事の与え方」の問題です。

つまり、お金の問題ではないので、
儲けが出ているか否かに関係なく、その気になれば
どの会社でも取り組めることです。

そこを見落としたまま、単に

「人が集まらないから、給料を上げなければ」

などと発想すると、根本的な解決にならない場合があるので
注意したいものです。

したがって、上記の3つの逆のことを実践することが、
社員が辞めることを踏みとどまらせます。

①「その仕事にどんな意味があるか」
「なぜあなたにやってほしいか」を予め伝える。

②その仕事を完了したときに、期待通りの仕事なのか否か、
そして「どこが良くて、どこに改善の余地があるか」
をフィードバックする。

③「仕事で困ったら、誰に相談すればいいか」を予め決めておき、
1人で抱え込まなくて済むようにする。

できることからトライしてみましょう!

ご相談・お問い合わせ

キャッシュフローコーチ・
経営コンサルティングに関する
ご相談・お問い合わせはこちら

出版物・メディア実績

書籍などの出版物やメディア掲載の実績を公開しております。

TBS みのもんたの朝ズバッ!

TBS
みのもんたの朝ズバッ!

TBS Nスタ

TBS
Nスタ

TBS みのもんたの朝ズバッ!

TBS
みのもんたの朝ズバッ!

NHKテレビ 「日本のこれから~税金~」

NHKテレビ
「日本のこれから~税金~」

日本テレビ ズームインスーパー

日本テレビ
ズームインスーパー

楽天ではなぜランチがタダで食べられるのか 社長も社員も得する経営・節税ノウハウ

楽天ではなぜランチがタダで食べられるのか
社長も社員も得する経営・節税ノウハウ

社長、税務調査の損得は税理士で決まる!

社長、税務調査の損得は税理士で決まる!

儲かる会社の経営者は会社の未来を数字で読み解く

儲かる会社の経営者は会社の未来を数字で読み解く

1164社の紹介でわかった 社長のための“いい税理士”の探し方

1164社の紹介でわかった
社長のための“いい税理士”の探し方

節税ノウハウQ&A

節税ノウハウQ&A

経理・会計に必要な税務の実務知識

経理・会計に必要な税務の実務知識

社長、もっと頼りになる会計事務所があります!

社長、もっと頼りになる会計事務所があります!

節税に活かす交際費税務の基礎知識

節税に活かす交際費税務の基礎知識